やがて、薫さんに少し笑顔が戻った。

「ありがとう。私も凪斗が好きかも・・・」

俺は、薫さんを抱き寄せ耳元で囁いた。

「ありがとうございます」

「ね、泣いたら慰めてくれるの」

「俺は、泣かさないです。

 もし泣かせたら、俺が舐めます!」

言った後に、すぐ間違いと気付き

顔が赤くなってしまった。

「慰める、でしょ?」

薫さんはクスッ!と笑った。

「私ね、昨日凪斗と飲んでて

 気付いたことあるんだぁ」

「なんですか?」

「もし、凪斗に告白されたら

 断らないかなぁって・・・」

「え?えぇぇぇ?」

俺の面食らった声が

薫さんの鼓膜に響いていた。