「ね?」


言われて、舌で味を確かめる。

イチゴと言えなくもない味がする。

溶けかけたそれは、やはり舌に絡んで、離れようとしない。


「……甘いのは苦手」


もう、せっかくあげたのに。

不満そうな声をあげながら、彼女がまた次のドロップを取り出す。

茶色いそれが何味なのか、どうでもよかった。

彼女が美味しいと言ったのだから、きっと甘いのだろう。

僕はと言えば、ねとねとと絡みつくそれを胃袋へ流し込もうと、舌の上で転がし続けていた。