「ね~、かほりは好きな人いないの?」

私はいきなりの質問に即答で、

「いないっ!!」
って返事をした。

するとなにを期待していたのか
ななちゃんは膨れて、

「そんなにはっきり言わなくても
いいじゃんか!!」
と怒らしてしまった...

でも本当にいないのだからしょうがない!
「私は正直に言っただけだもん!!
それに男の子には興味無いもん。
それよりさ、今日買い物して帰らない?
私ノート切らしちゃって文房具屋さんに寄りたいんだけどさ。」

「ま~たそんな事言って!!かほりは興味無いにも程がありすぎなの!!
いい!さっきのあの出来立てほやほやカップルみてなんか思うでしょ!!
『羨ましいな~』とか、『幸せそう♪私もあんな風になりたいな~』とか、ちょっとはあるでしょう!!」

「全然。」
またもや即答する私を哀れみの目で、

「あんたに好きな人が出来たら、私逆立ちして廊下歩いてあげるわ..」

そうななちゃんが言った後すぐにチャイムが鳴って、2人で屋上を出て教室に戻った。