「ここ掘れワンワン!」
「ここ掘るぞワンワン!」
犬たちはプードルの陣頭指揮のもと、一致協力して穴を掘り進んだ。
先頭の犬が掻き出した砂を後ろの犬がもっと後ろに掻き出す。それはもう犬の掘る穴の域を越えて、大きなトンネルのようになっていった。
すっかり夜がふけて、夜空の主役が満月とおぼろな夜の雲になった頃、犬たちはようやく穴を掘る手を止めた。
もうすっかりトンネルのようだ。屈めば私でも中に入れそう。
「出来た。あきらめずに頑張ったかいがあったな」
プードルがチックの肩に前脚を置いた。まるで人間のような仕草だ。
「でも、夢が出てこないよ。どうなったの?」
私がチックに聞くと、チックは私を見て微笑んだ。
そう、確かに微笑んだ。犬だけど、その時チックは確かに人のように笑ったんだ。
「掘り当てたのはいいんだけど、重すぎてこっちに出せないんだ。そこで怜奈ちゃんに頼みがあるんだけど、中に入って、引っ張りだしてくれないかな?」
「いいわよ、でも本当に大きな夢なんだね。チックがそんなに欲張りだとは知らなかったわ」
「僕だって男だ!やるときゃやるんだよ」
「へえ!小さくても男なんだね!怜奈、チックに惚れなおしたよ」
チックは照れくさそうに、後ろ脚で頭をかいた。そして、早く中に入って取ってきて、と私に頼んだ。
私はチックたちの掘ったトンネルに入った。膝をついて這っていけば、私でも楽々で中を進むことができた。
「ここ掘るぞワンワン!」
犬たちはプードルの陣頭指揮のもと、一致協力して穴を掘り進んだ。
先頭の犬が掻き出した砂を後ろの犬がもっと後ろに掻き出す。それはもう犬の掘る穴の域を越えて、大きなトンネルのようになっていった。
すっかり夜がふけて、夜空の主役が満月とおぼろな夜の雲になった頃、犬たちはようやく穴を掘る手を止めた。
もうすっかりトンネルのようだ。屈めば私でも中に入れそう。
「出来た。あきらめずに頑張ったかいがあったな」
プードルがチックの肩に前脚を置いた。まるで人間のような仕草だ。
「でも、夢が出てこないよ。どうなったの?」
私がチックに聞くと、チックは私を見て微笑んだ。
そう、確かに微笑んだ。犬だけど、その時チックは確かに人のように笑ったんだ。
「掘り当てたのはいいんだけど、重すぎてこっちに出せないんだ。そこで怜奈ちゃんに頼みがあるんだけど、中に入って、引っ張りだしてくれないかな?」
「いいわよ、でも本当に大きな夢なんだね。チックがそんなに欲張りだとは知らなかったわ」
「僕だって男だ!やるときゃやるんだよ」
「へえ!小さくても男なんだね!怜奈、チックに惚れなおしたよ」
チックは照れくさそうに、後ろ脚で頭をかいた。そして、早く中に入って取ってきて、と私に頼んだ。
私はチックたちの掘ったトンネルに入った。膝をついて這っていけば、私でも楽々で中を進むことができた。