「塚ぁ、セイヤ【吸収】知らないのォ
アスカちゃんの得意技じゃぁん」

話題を戻したのはアスカ様だった。


…ん?
そういえば、聞いたことがあるぞ。

ヲトメ国の女王は……

「どんな悪も浄化するという、【アスカにしかできない神の技】…か?」

セイヤは恐る恐るその言葉を口にした。

途端に、アスカ様は瞳をパァッと輝かせる。
実際は肉厚に潰れてしまって開くことが非常に困難である瞳を……。

「そぅそれェ
塚ぁ、説明すごッ照れるしィ」

アスカにしかできない技。
その技さえあれば、世界最強…いや、宇宙最強も夢ではないという。

謎のベールに包まれた、誰もが会得したい技。

またセイヤ王子も、その技に憧れる青年の一人だった。


──しかし、今は。

状況が違う。


アスカ様はさっき、

『門番を吸収した』

そう言ったんだ。