―――ガチャ―――


扉の開く音がする。
あれからどれぐらい経ったんだろ。
私はうとうとなりながら
体を起こして玄関へ視線を向けた。


「ただいま」

「…ん……おかえりなさい」


まだ、ぼーっとする中で
目を擦りオーナーを見つめた。


「クス。寝てなかったのか」


オーナーは傍へ来ると
優しく私の頭を撫でる。


私はそっとオーナーの手を握り
頬へ持って来ると
手に頬擦りをする。


愛おしい人の手。


愛する人の大きな手。