……誰かの……声が聞こえる。

そっと目を開くと……血だらけで苦しそうに息をする兵士が目の前に立ち、俺の行く手を遮ろうとしていた。

その体はボロボロで、恐らく……命に係わる程の傷を負っている様だ。

ゼイゼイと荒い呼吸を繰り返すその兵士は、どうやら俺を制止しようとしているらしい。

しかしそれを無視して兵士の手を振り払うと、重く冷たい扉をそっと押し開いた。