「ここは……どこなんだ~!!」
目の前にはどこまでも果てしなく草原が広がり、遥か遠くには地平線まで見える。
音を立てて吹き抜ける風にざわめく……果てしない草原。
「もう……やだ」
そう呟いてガックリと肩を落とした。
足の裏がジンジンして痛い。
こんなに歩いた事なんて、生まれて初めてだった。
あの村を出てからもう半日は歩き続けている。
……おかしい。
……隣の村までは歩いて二時間もかからないはずだ。
隣村で馬を借りる予定だったのに、一向に村に着く様子はない。
もう一度男から貰ったボロボロの地図を確認する。
「おっちゃんの村がここだろ……そこから東にちょっと……」
………。
「……何でだ?ちゃんと右に向かって歩いてきたのに」
……通り過ぎてしまったのだろうか。