『じゃあ私。帰るね。』

時計はもう6時を回っていた。

「送ってくよ。」

『良いって。危ないもん』

「何。心配してくれてんのー?」
ニコニコしながら…夏輝が聞いてくる。

『そりゃ、怪我人だもん』

「あっそー。」

『何?』

「別にー。」
と言ってメガネを外した。

その仕草に少しドキッとした。
「俺、目がめっちゃ悪いんだけど。」

『じゃソレ本物!?』

「うん。かけてみる?」

『うん。』

かけてみると視界がボヤけた。

『ホントだぁ。全然、見えないや…。』

「メガネ返して?」

『はい!』

メガネを返した瞬間に
私の唇に軽く唇が触れた。