「おじゃましまーす。」


「どうぞ。」


何度も来てるフクチャンの家。


相変わらず殺風景だ。



「はい椿。」


「ありがとう。」



タオルを受け取り頭を拭く。



「あっ!」



「ん?」



「これ、フクチャンの!?」



いつも何もないところには、ギターが立てかけてあった。


「あー、」


気まずそうに視線を泳がすフクチャンにお構いなしのあたし。



「フクチャン、ギター弾けるんだ!!ねぇねぇなんか弾いてよ!!」


興奮気味にフクチャンの服を掴みながら見上げると、




「椿じゃま。」


「痛っ!」


思いっきり頭を掴まれて回れ右させられた。



「ちょっとフクチャン!」


「服も濡れてるから帰ってお着替えしましょうねー」


部屋から追い出される。