「じゃあそのままでいいから聞いて、」




ん、小さく返事をした。

なんだかかわいいなぁって思う。





「夏楠は俺の大事な人の恋人なんだ。」



嘘を話す気はない。椿になら全部話してもいい気がしたからだ。




「純って言って、中学の時から一緒にバンドしてたんだ。あいつ、体が弱くてよく学校休んだり、酷いときには入院したり、結構大変みたいだった。」














「なぁ!バンドしようよ!」


そう言い出したのは葉だった。


「…なんで?」


「悠悟ベース出来るし、崇くんはギター弾けるし、俺はドラムやってるし……んで、純が歌うの!」



楽しそうに話す葉。



「いいねー、悠悟はどう思う?」




そう聞くと悠悟は、別にいいよって窓を見ながら言った。





決まれば即行動の俺達は次の日の放課後、検査入院をしている純のもとへ向かった。