いつもの海岸に行くも、椿の姿はそこにはなかった。



まったく、どこにいるんだろう。







裏山へと足を運ぶ。





初めて椿に出会った場所。






もぅ2年も経つんだなぁ、




長いようで短い。


2年経ってもわからないものがある。






ぼーっと考え事をしながら歩いていると見覚えのある背中を見つけた、




声をかけずにそーっと近付く。



小さく屈んだ背中のすぐ後ろに立つ。




手を伸ばせば届く距離、でも触れない。




俺に触る資格なんてないから。







「…椿?」




ビックリしたのか椿の体がぴくりと動いた。





「隣、座るね。」





椿の横に座る。




椿の顔を覗こうとしたら、思いっきり顔を下げられて見れないじゃないか、






「椿、顔上げて、」




「…やだ、」



小さい鼻にかかった声。