帰るのがイヤなんてフクチャンが来てから初めて思った。




何度も目の前を通る船が永遠に続けばいいなんて、













「…大樹、ごめんね、」


隣に座る大樹を見る。




「気にすんな!」



笑顔であたしの頭をガシガシ撫でる。




痛くないのに痛いよなんて言って、






「…学校、遅刻だね。」

「そーだな。たまにはサボることも必要!」




いきなり立ち上がった大樹を見る。




「何があったかは知らない。言いたくないなら聞かない。…ただ、泣いてる椿は好きじゃない。」




真剣な顔で大樹はあたしを見る。





あたしは何度この目に救われたんだろう。





…大樹はこういう時にはすごく頼りになる。






「…うん、


くよくよするの終了!」




よしっ!なんて言って立ち上がる。





学校に行こう。





ちゃんと家にも帰ろう。