港で船を待つ。




早く来すぎたかな、






……はぁ、





あたしホントイヤな子になってるよ。






「…椿?」



振り返って後ろにいたのは、



「フクチャン…、」





大好きなはずのフクチャンが今は目にイタい。




ほとんど条件反射で踵を返す。





「……?」




フクチャンの足音が近づく。





早く、早く、誰でもいいから早く来て!





「…椿、」




フクチャンがあたしの腕に触れた時だった。





「フクチャン、椿おはよっ!」



まるで何もなかったかのようにあたしから離れるフクチャン。







少し触れた腕が熱を持つ。