それがどんなことであっても、やっぱりイヤだ。 あたしの知らないフクチャンがいる。 そう突きつけられたように、 2人の間に割ってはいることはたぶん、不可能に近い。 たとえそこにやましい気持ちがなくても、 自分の好きな人の過去を知ってる夏楠さんにいい気はしない。 「…………あたしって、すごくイヤな子だ。」 部屋でそう言った瞬間、体の底から悲しい何かが姿を見せた。