教室に戻ると、HRが始まった。
一番はじめに紙がくばられて、私は茶色の、いかにも“再生紙です!”な感じの紙を見つめた。


そこには、【クラス親睦会】と書かれていた。内容は…。


「かくれんぼ?」


私は声に出してボソッと言った。


「どう思う? 主井愛」


私はただつらつらと、紙を見ていた。先生に聞かれてる事も気がつかないで。


「愛、聞かれてるよ~」


まだ眠いのか、だらっとして、やる気なさそうに私の肩を叩く恋。


「かくれんぼって…、高校生にもなって?」


私がそう言うと、


「しかも、2年だしね~。 顔知ってる奴多いし。 うちの学校人口少ないし」


と爪の奥を意味も無く覗きながら恋が言う。
うん、私の言いたい事、まとめてくれるなんて、さすが恋!!


関心していると、担任の高木岳(たかぎがく)先生が近付いてきた。


「じゃあ、主井は、クラスの奴全員の顔と名前が一致するか?」


高木先生は、『ん?どうなんだ?』と、いうような顔をしながら顔を近付けてくる。


「愛は、まったく分かんないよね。半分以上分かんないよね」


と、恋がハッキリ言う。
うん、さっきのクラス名簿みて、半分どころか恋と遥しか分かんなかったよ。


「だから、するんだよ。 分かったか?」


「はぁい…」


私はシュン、となって、紙に目を通した。