「私には関係ないけどさ、」

先に前以て言っておく。桂は訝し気に私をじっと見ている。

「人に色々聞く癖に、自分のことはだんまりって、感じ悪い。」

ズバリ言いたいことを言ってやった。妙な達成感と満足感を得た私は、気分よくフォークを持ち直し、桂が奢ってくれたアラビアータを美味しく頂いた。桂は数秒の間私を凝視して……、笑った。それも何故かツボに嵌まったらしく、暫く声にださないように、顔を伏せて爆笑していた。

失礼な奴だ。なんで此処まで笑われなきゃいけないんだ。食べ終わったらソッコー携帯取り返して帰ってやろうと考えていると、


「じゃあさ、」

おもむろに桂は話し掛けてきた。目に涙を浮かべるほど愉快だったらしい。