またあの豪邸があたしの前に立ちはばかる。
もう2度と来る事は無いって思ってたのに・・・。
ため息をついて玄関に入る。いかにも疲れてる表情を出すと
 宗太が「今日は僕たちの説明じゃなくて遊びにつきあって欲しいんだ♪」
 遊び!?鬼ごっことか?ダルマさんが転んだとか!?

また昨日の光景が目に入った。
 「はあー相変わらず広いのね」
相変わらずって・・嫌味に聞こえたかな?

「これだから庶民は」
背後からリムジンに乗った時と同じ冷めた声がした。
 宗太じゃない。涼太だ・・・。

「また庶民っていった!庶民で悪かったわね~あたしなんかド貧乏ですよ!」 
 変な意地とかなくて、ドを付けて貧乏だと言ってやった!
勝ち誇った顔してると

「世の中金なんだよ!ド貧乏庶民!」
  その言葉がうやけに悲しくて・・・ド貧乏庶民って言われた事がショックとかじゃなくて・・・。
  ”世の中金”
中3ながらにしてそんなことを・・・
 普通の 普通の中学3年ならね 恋だとか・・愛だとか・・
そんな事に頭でいっぱいなのに・・・

「世の中にはお金で買えないものだってある!それは涼太は知らない!」
  初めて涼太に口答えした。お金で買えないものだってあるっ教えたかった。
 なのに・・・

「おまえに何が分かるんだよ」
  オマエニナニガワカルンダヨ
そう言えばあたし涼太の事ただの不良だとしか思ってなかった。
 好きな色とか、キャクラターとか・・・
そしたら涙出てきちゃって・・・。
  走って逃げようとした
泣き顔を涼太に見られたくなかった。酷い事言われて辛かった。