カラオケ。女友達のストレス発散方法。
 いや? 女というよりあたしのストレス発散方かも?

 「美来~♪次順番だよー」
甘ったるい声の里佳 ちょっとハスキーボイスの弥生
      この2人はずっと仲良しで泣く時も笑うときも共に過ごしてきた
   そして
 -渋谷美来-
まだまだこの先長い中学3年生の受験生
 コンプレックスはそう 音痴

 なんで音痴なのにカラオケに毎日のように行くかって?

   ストレス発散に決まってるでしょ!

恋愛経験は多いとも言えず少なくとも言えず・・・ 
  付き合った人はいたけど本気で好きになった人とは付き合ったことがなかった
今でいう軽い「ノリ」 ノリで付き合っちゃうなんて馬鹿だね
  なんて思いながらマイクに手をやった

「よっ美来!待ってました!その美声聞かせてくださーい」
  弥生と里佳が声をそろえて言う

いつもあたしの声を聞いていて耳が麻痺っているのか分からないけど
  あたしの事未来の歌姫って言ってくれる
 まあ気を使って言ってるんだろうけど
     お世辞でも嬉しいかな?


そうして歌おうとソファの上に立ち十八番の歌を   
   歌おうと前奏を待っていると

ガチャ。
 カラオケボックスのドアが開いた
「ここの部屋狭いなー」
「だからね 店員に聞いてかえてもらう?」



   声のない曲が個室に流れた


変な男子グループも里佳も弥生も。
 ひどく動揺していた


あたしは動揺なんてそんな領域を超えていて
  まさか見ず知らずの人が来るなんて思ってなかったから
ソファに自信満々にあがって マイクを小指立てて持って
   歌おうとしていたんですけど。


「あっ部屋間違えた 
   すんません」


バタン。
 え?それだけですか!?
でもあんまり謝られても歌えないし


廊下の方で

「なんかソファに立ってたアイドル気取りのやついたよな」
  

  聞こえてしまった

里佳と弥生が必死にフォローする
「た、たぶん かわいいって意味だよ!」
 「そうだよー美来アイドルって言われてんだよ」

  アイドル気取りですけどね

こうして最悪な出会いは幕を開けた