『怖い』

その時その感情があたしを支配していた。

本当に、ただ本当に怖かった。


だけど、お兄ちゃんがあたしを少し後ろに隠してくれた、小さな声で、

「大丈夫だから……」

その声を聞いた瞬間、少しリラックスできた。

「お~? 兄ちゃんいい女つれてんじゃん?」

その不良の言葉を聞いた瞬間、お兄ちゃんはキレたのかな、すごい大声を出して不良に突っ込んで行った。