宮原が何故ここに来た理由。


それは…。


野球バカな俺を、ずっと見ていた。


いつも、教室の中では明るい宮原が、涙を流しながら。


「好きなの…。」


照れながら言った。


離れた唇は俺の言葉を止めた。

宮原は、真っ直ぐで、さっきのボールみたいに。


俺の心の中にもストライクゾーンを、当てに来たんだ。


「マジかよ…。」


広々としたグランドに2人しかいない。


何も聞こえない。


グランドのライトが、明るくて恥ずかしかった。