『愛?何それ喰えんの?』



そんなあたしにも、回せないやつが目の前に一匹いる。

やつは学校で女子に貰った手作りクッキーを貪りながら、健気な乙女達が胸をときめかせて書いたであろう手紙を笑いながら読んでいる。

女の敵だ。


そいつの名前は
五十嵐 直也 (イガラシナオヤ)


あたしより一個うえの高3で、中山に劣らないモテ具合にもかかわらず、

なぜか、あたしになつき、こうしてアタシの部屋にまで入り浸るようになった。