マコトは、そんなあたしを見てケラケラ笑った。
「里衣ちゃんバカだな~。本当だって言ってるだろぉ?」
「だって…」
普通に誰でも信じられないわよ!
あたしは部屋を見渡した。が、そこには犬のマコトは居らず―…
目の前の男を見ると、確かにマコトの面影があるように見えた。
茶色のふわふわした毛、深茶色の人懐っこい瞳―…
あたしの心のどこかで、この男を見るたびに沸き上がる懐かしさを覚えた。
「もう一回聞くけど…あなた、本当にマコト?」
あたしは遠慮がちに聞いた。
マコトは大きく頷いて、
「うん。ぼくは里衣ちゃんの飼ってる柴犬のマコトだよ。」
やっぱりマコトなんだ…