「里衣ちゃん…ぼくが何で人間になりたかったか分かる?」
あたしは首を横に振った。
「ぼく…里衣ちゃんにどうしても伝えたいことがあったんだ」
マコトが喋る度に、白い息が空に舞っては、消えていく。
「何?」
「里衣ちゃん…ぼくはね、」
マコトの真剣な目があたしに向けられる。
「里衣ちゃんが大好きだよ」
―え…?
あたしは一瞬固まってしまった。
マコトの言った意味がうまく理解できなかったからだ。
「マコト…?」
「里衣ちゃん、ぼく、ずっとずっと前から…拾ってくれた時から…里衣ちゃんが大好きだったんだ…」
「でもマコト…」
「これで、ぼくが人間になりたかった理由が分かったでしょ?」
あたしはコクンと頷いた。