「どういたしまして!」
マコトもとびきりの笑顔で返した。
雪はますます量を増して降ってくる。
まるで夜景を更に綺麗に彩ってるみたい。
なんてことを考えていたら、ふと心に引っかかった。
「ねぇ、マコトはどうして こんな場所知ってるの?あたしが連れてきたわけじゃないわよね?」
マコトに顔を向けると、マコトは少し寂しそうに笑った。
「だから…前のご主人様に連れてきてもらったんだよ」
「あ…」
マコトの寂しそうな笑顔の理由を今さら理解した。
「ご…ごめん。嫌なこと思い出させちゃって…」
「いいよ。嫌なことなんかじゃないし…それに、感謝もしてるんだ」
マコトの言った意味が分からなかった。
「前のご主人様が、ぼくを捨てなかったら、ぼくは里衣ちゃんと出会えなかっただろ?」
「マコト…」