「うわぁぁ…きれい…」
下を見下ろすと、綺麗な夜景が一面に広がっていた。
クリスマスなだけあって、街のあちらこちらでキラキラと光るツリーがある。
「凄い…きれい~…」
「でしょ?絶対里衣ちゃんが喜ぶと思ったんだ!」
マコトは眩しい笑顔をあたしに向けた。
「うん。嬉しい。スゴく嬉しい!」
「あの坂道を登ってきたかいがあったでしょ?」
「うん!」
あたしはもう一回、目にしっかり焼き付けるように夜景を見下ろした。
「あ…」
「雪だ…」
空からはハラハラと雪が舞い降りてきた。
「ねぇマコト…」
「何?里衣ちゃん」
あたしは首元のマフラーに顔を埋めて、
「ありがとう!」
と、とびきりの笑顔で言ってやった。