あたしは仕方なく、その坂道を登ることにした。
周りは草というか林というか…木が生い茂っている。
当然明かりはなく、上へ登るにつれ、辺りは暗くなっていく。
「ねぇ、マコト…もう真っ暗だよ~。引き返そう?」
「大丈夫。あと少しだから」
とうとう真っ暗になったことには、あたしの不安と恐さは頂点に達していた。
「マコト…もう一時間くらい歩いてるけど周りは木ばっかじゃん!この先に何があんの?」
「大丈夫」
マコトは坂を登りながら、あたしの手を握った。
指輪のはめてある、左手をキュッと。
「里衣ちゃんの喜ぶものだから!」
マコトは今までに無いくらい、とろけそうな笑顔を見せた。
不覚にもクラッときてしまった。
「マコト…」
「里衣ちゃん!着いたよ!」
突然マコトが叫んだ。
びっくりして顔を上げるとその先には…