そんな毎日の中で積み重なるように不幸は連続した。



「もうここには住めない…。」



アタシの両親は貧乏で、1日1日が苦しい毎日だった。
そう、アタシの家はあり得ないくらいの貧乏だ。
多分庶民にも分からないような苦しみ。

それでも、いままで父はサラリーマンとして働いていたが、急な倒産。
今のままでは、アパートにも暮らせない状態だったのだが、大家さんが、

「次は払えるんでしょ?大丈夫。」

と、言っていたおかげだった。
でも、その状態がずっと続くのはダメだと父は言い、出る羽目になった。


「奈央、聞いてくれ…。」

お父さんが言いづらそうに言った。
お母さんまでもが悲しい表情だ。




「奈央を、施設に預けようと思うんだ。」


アタシの頭は真っ白だった。