学校が終わって、家に帰って軽く食事をとってから、ジャックと出かけることにした。

でも、その時点で私はちょっと気になることが……。
ホストクラブに男の人って行くのかしら?
なんか、不自然じゃないかしら?

とはいえ、未成年の私が一人で足を運ぶのもなんとなく憚られたので、仕方なくジャックと一緒に出かけることにした。

いろんな服を着れるようになったことが楽しいらしく、ジャックは細身の黒いスキニーを穿き、大きなプリントの入ったモノトーンの長袖Tシャツを着て、その上にキャメル色のレザーブルゾンを羽織っていた。
遊び心でかけているのか、そのサングラスがまたおしゃれではあるが、夜出歩くには蛇間不自然な印象もある。

でも、吸血鬼は夜目が利くからいいんだってー。

私は仕事帰りのOLさんを意識して、膝丈の黒のフレアプリーツスカートに、薄手の白いセーター。ハートモチーフのネックレスをつけ、千鳥柄のコートを着てみた。

少しはオトナっぽく見えたら良いのだけど。


なんとなく、キョウに対して後ろめたい思いがしたので、手が触れないぎりぎりの距離を保って並んで歩く。

本当は事前にジュノに連絡したかったのだけれど、ケータイを持ってないので仕方が無い。

そういえば、全然ママのところに交渉に行く時間が取れないんだけど……。

私は軽くため息をつく。