私は念のため自分の姿を確かめる。
お気に入りの白地に赤いハート柄が入った可愛いパジャマ。

うん、問題はなさそう。

寝室を抜け出した。

リビングのソファでシーツに包まって眠っている、金髪の美青年を発見。

うーん、幸せそうな寝顔。
これで、後20日しか生きられないってどういう意味なのか理解できないよ。

私はそのままバスルームへと足を運んだ。

今朝もちゃんとホームベーカリーが食パンを作ってくれている。

昨夜、キョウがセットしてくれたに違いなかった。

「おはよう、ユリアちゃん」

ベーコンエッグを作っていたら、キッチンにジャックがやってきた。
黒いジャージに白い長袖Tシャツを着ている。

「服、着替えられるんだ?」

「そう。
キョウさんのお陰でね」

ふわり、と。
ジャックが浮かべる笑顔は、飛行機雲よりも儚い。

「ジャック、何か食べれるものある?」

「うん、僕にもそれ作って」

二人でベーコンエッグと、食パンを食べた。
ジャックはトマトジュース。
私はオレンジジュース。

いつもより穏やかな時間が流れている。

まぁ、私が早起きしたからなんだけど。