「鬼畜ー!」

ため息をかみ殺した私は、思いついた悪態を口にしてみる。
が、キョウは私の耳元で「残念でした、悪魔です」と楽しそうに囁くのみだ。

うーん、言葉を変えてみたところで、悪態って何の役にも立たないみたい。
私はキョウの腕からそっと抜け出す。

「あ、でもね。そういうプレイだったら知ってるよ?
俺の好みじゃないけど、ユリアがそういうの好きっていうなら、今からでも試してあげようか?
なんかこう、麻の縄が身体に絡みつく様ってゾクゾクする気がしない?」

好みじゃないとか言いながら、その瞳、爛々と輝いてますけど?
大丈夫かなぁ。

「ゾクゾクしません」

私は慌てて否定した。

「え?試したことあるの?」

……本気で問うのは止めて貰えませんでしょうか?

「大丈夫、俺だったら絶対ゾクゾクさせてあげるから、ね?
安心して身を任せて」

いやいや、それは一体、何のお話ですか?