呆然とする私を腕に抱いたまま、ベッドルームへと連れて行く。
私をベッドに横たわらせ、その傍に潜り込む。

瞳を上げればそこに、嫌味なほど筋の通った鼻梁が見えた。

「とりあえず、成人式を迎えるまではここで暮らすって決めたんだから。
ご両親だって喜ぶよ」

「ど、うして。
いつもいつも、両親を優先するわけ?」

キョウは涼しい瞳で私を見て、冷たい声で言い放つ。

「ユリアをここに連れて来てくれた方に敬意を払うのは当たり前」

じゃあ、私にも少しは敬意とやらを見せてくれてもいいんじゃないかしら。
上目遣いに睨みつけたが、ふわりと微笑まれただけだった。

う。
それだけで、なんとなく、負けた気がするのはなぜかしら。

「それに、後数年したらユリアの胸だってもっと大きくなるかもしれないし」

……な、なぁんですって?
  人が気にしていることをっ!!
  コイツはぁ~~!!

キっと眉間に皺を寄せて、今にも文句を言いそうな私を見て、キョウは口許を綻ばせた。

「そうそう。
ユリアはそのくらい元気じゃないと」

いや、元気なんじゃなくて、怒ってるんですけど。
ねぇ?
気づいてます?