イベントが終わって皆が三々五々に帰っていくのを、木製の椅子に座ったままぼんやりと眺めていた。
というのも、隣に居るキョウが立ち上がらないのだから仕方が無い。
キョウがジュノに何事か囁く。
ジュノは頷いて、牧師の元へと足を進めた。
「ねぇ、魔界の神様って教会に入っても平気なの?」
声を潜めて聞いてみる。
「俺が平気なんだから、平気なんじゃない?」
キョウは何でもない顔でそう言った。
でも、私はどうにも腑に落ちない。
「本人に聞いてみれば?」
キョウは容易(たやす)いことのようににっこり笑って言うんだけど。
いやいや、出来ることならもう関わりあいたくないです、あのお方とは。
最後の一人……つまり、牧師が出て行って、教会の中には私たち五人だけが残った。
「ここなら結界張れるでしょう?」
キョウが立ち上がり、未だ入り口に程近い壁に縋って腕を組んでいた神様に声を掛けた。
「わざわざここでやる意味ある?
魔界に帰れば手っ取り早いのに」
う。
なんだか不機嫌が全身から漂ってますけど。
大丈夫かしら?
「クリスマスイヴは彼女と一緒に過ごすって約束してるんで」
会社の空気も読まないままに一番忙しい日に『彼女とデートなんで』と有給休暇をさらりととる新入社員さながらに、さらりとキョウが言う。
ちょっと待ってよ!
ほら、あのこの世のものとは思えない奇跡の美形さん、本気で私を睨んでるんだけど?
たらりと背中に良くない汗が伝う。
ねぇ。
私が呪い殺されたら、絶対キョウのせいなんだからっ。
というのも、隣に居るキョウが立ち上がらないのだから仕方が無い。
キョウがジュノに何事か囁く。
ジュノは頷いて、牧師の元へと足を進めた。
「ねぇ、魔界の神様って教会に入っても平気なの?」
声を潜めて聞いてみる。
「俺が平気なんだから、平気なんじゃない?」
キョウは何でもない顔でそう言った。
でも、私はどうにも腑に落ちない。
「本人に聞いてみれば?」
キョウは容易(たやす)いことのようににっこり笑って言うんだけど。
いやいや、出来ることならもう関わりあいたくないです、あのお方とは。
最後の一人……つまり、牧師が出て行って、教会の中には私たち五人だけが残った。
「ここなら結界張れるでしょう?」
キョウが立ち上がり、未だ入り口に程近い壁に縋って腕を組んでいた神様に声を掛けた。
「わざわざここでやる意味ある?
魔界に帰れば手っ取り早いのに」
う。
なんだか不機嫌が全身から漂ってますけど。
大丈夫かしら?
「クリスマスイヴは彼女と一緒に過ごすって約束してるんで」
会社の空気も読まないままに一番忙しい日に『彼女とデートなんで』と有給休暇をさらりととる新入社員さながらに、さらりとキョウが言う。
ちょっと待ってよ!
ほら、あのこの世のものとは思えない奇跡の美形さん、本気で私を睨んでるんだけど?
たらりと背中に良くない汗が伝う。
ねぇ。
私が呪い殺されたら、絶対キョウのせいなんだからっ。