朝日で目が覚めた。
私、カーテンさえ閉めずにソファの上で寝ていたみたい。
一人きりで迎える朝は、今までのばたばたした日々が嘘みたいに穏やかだった。
たまには、自分で味噌汁なんて作って食べてみる。
それにしても、どうして自分で作る味噌汁ってママの作る味噌汁の味にそっくりになるのかしら?
おかしいわ。
私、ママと違って味噌汁にリボンの形をした麩なんて入れたりしないのに。
お昼過ぎてから、出かけてみた。
クリスマス前の日曜日。
街は想像通りカップルで溢れていた。
私は、なんとなくショップの中を歩いてみる。
セールの文字に釣られて、宝石店を見たのは偶然だった。
「あら、もしかして彼氏と別れた?」
声を掛けてきてくれたのは、いつぞや私にキョウと別れたら連絡をくれるように名刺まで渡してくれた店員さんだった。
「いいえ」
とっさに強い口調で言い返していた自分に、驚いたのは私のほうだった。
「そうかー。
有能そうだもんね、彼。
きっとこんな日も仕事なのよ。
っていうか、仕事って偽って浮気してたりしてー☆
ね、本当にすぐに教えてね、彼がフリーになったら」
……だ、大丈夫ですかね、このお店……。
店の将来が不安になった私は曖昧な笑顔を返すとその場を離れた。
私、カーテンさえ閉めずにソファの上で寝ていたみたい。
一人きりで迎える朝は、今までのばたばたした日々が嘘みたいに穏やかだった。
たまには、自分で味噌汁なんて作って食べてみる。
それにしても、どうして自分で作る味噌汁ってママの作る味噌汁の味にそっくりになるのかしら?
おかしいわ。
私、ママと違って味噌汁にリボンの形をした麩なんて入れたりしないのに。
お昼過ぎてから、出かけてみた。
クリスマス前の日曜日。
街は想像通りカップルで溢れていた。
私は、なんとなくショップの中を歩いてみる。
セールの文字に釣られて、宝石店を見たのは偶然だった。
「あら、もしかして彼氏と別れた?」
声を掛けてきてくれたのは、いつぞや私にキョウと別れたら連絡をくれるように名刺まで渡してくれた店員さんだった。
「いいえ」
とっさに強い口調で言い返していた自分に、驚いたのは私のほうだった。
「そうかー。
有能そうだもんね、彼。
きっとこんな日も仕事なのよ。
っていうか、仕事って偽って浮気してたりしてー☆
ね、本当にすぐに教えてね、彼がフリーになったら」
……だ、大丈夫ですかね、このお店……。
店の将来が不安になった私は曖昧な笑顔を返すとその場を離れた。