「……あったま痛い~っ」

朝が爽やかじゃないことがあるなんて、噂では聞いたことがあったけれど。
私の人生で爽やかでない朝を迎えるなんて、ほとんどなかったので心底驚いた。

これが、噂に聞く二日酔いというヤツですか?

私はがんがんする頭を抑えて、枕もとの時計を見た。
目覚まし時計がなるよりも、さらに5分ばかり早い時間だ。

これ以上出席日数を減らしたくない私は、ほっと胸を撫で下ろした。
途端。

耳元に感じる、寝息。

私は慌てて視線を左へと向ける。
そこに、見知ってはいるもののこの場にはふさわしくないと思われる金髪がさらりと見えた。

私は慌てて口を押さえる。

「~~~~~~っ」

……ジャック?
  何ゆえ、ジャックが?

一応、自分の姿を上から下までチェックする。
普通に、パジャマ着てるけど。
ジャックなんて、パジャマどころか、昨日店で着ていたスーツそのままだ。

その。
あの。

ええええ、えっと!?


起こすべきか放っておくべきか逡巡した結果、とりあえず放っておくに一票が投じられた。私は自分の一票に従って、慌ててベッドを抜け出した。