「いらっしゃい、ドルチェへようこそ」
お馴染みの台詞に迎えられる。
むせ返るような、香水と、お酒の匂い。
そこは、たった一歩目で女性を別世界に連れて行ってしまうような雰囲気を持っている。
「エイイチロウさん、いらっしゃいますか?」
私は騒々しい店内に通る大声をあげて、エイイチロウさんを呼ぶ。
「ご予約は……」
「してないけれど、百合亜が来たって言ったらきっとエイイチロウさん来てくれるわ。それだけで駄目なら綾香も一緒って伝えてくれる?」
と。
まるで常連かさもなければ金持ちでもあるかのように気取ってみせる。
私はともかく、私の傍で長い手足をすらりとさせて立っている笑麗奈からは、匂い立つ様な豪奢な雰囲気が発せられているから、まぁ、騙すのに支障はないはず。
騙すというか、事実。
私も笑麗奈も「実家が裕福」というのは、事実であるわけだし☆
たまには、活用しないともったいないわ。
「少々お待ちくださいませ」
雰囲気を察したのか、はたまた私の強気な態度に諦めを感じたのか、黒服が丁寧に一礼して、店の奥へと入っていった。
「やぁ、ユリアちゃん」
しばらくしてやってきてくれたエイイチロウさんは、ナンバーツーホストらしく、甘い笑みを携えて私たちの手を握ってくれた。
「えっと、綾香と、こちらは私の友人の笑麗奈よ」
「アヤカさんと、エレナさんですね。ようこそ、お待ちしておりました」
丁寧にお辞儀をして、優雅な物腰で二人とも握手を交わす。
その、あまりにも板についた丁寧なお辞儀に何か違和感を感じたけれど、今はそれを追及するときではなさそうだ。
「ジャックにはこのままヘルプについてもらおうかな」
「承知しました」
そうして私たち五人は、奥の席へと陣取ることにしたのだ。
お馴染みの台詞に迎えられる。
むせ返るような、香水と、お酒の匂い。
そこは、たった一歩目で女性を別世界に連れて行ってしまうような雰囲気を持っている。
「エイイチロウさん、いらっしゃいますか?」
私は騒々しい店内に通る大声をあげて、エイイチロウさんを呼ぶ。
「ご予約は……」
「してないけれど、百合亜が来たって言ったらきっとエイイチロウさん来てくれるわ。それだけで駄目なら綾香も一緒って伝えてくれる?」
と。
まるで常連かさもなければ金持ちでもあるかのように気取ってみせる。
私はともかく、私の傍で長い手足をすらりとさせて立っている笑麗奈からは、匂い立つ様な豪奢な雰囲気が発せられているから、まぁ、騙すのに支障はないはず。
騙すというか、事実。
私も笑麗奈も「実家が裕福」というのは、事実であるわけだし☆
たまには、活用しないともったいないわ。
「少々お待ちくださいませ」
雰囲気を察したのか、はたまた私の強気な態度に諦めを感じたのか、黒服が丁寧に一礼して、店の奥へと入っていった。
「やぁ、ユリアちゃん」
しばらくしてやってきてくれたエイイチロウさんは、ナンバーツーホストらしく、甘い笑みを携えて私たちの手を握ってくれた。
「えっと、綾香と、こちらは私の友人の笑麗奈よ」
「アヤカさんと、エレナさんですね。ようこそ、お待ちしておりました」
丁寧にお辞儀をして、優雅な物腰で二人とも握手を交わす。
その、あまりにも板についた丁寧なお辞儀に何か違和感を感じたけれど、今はそれを追及するときではなさそうだ。
「ジャックにはこのままヘルプについてもらおうかな」
「承知しました」
そうして私たち五人は、奥の席へと陣取ることにしたのだ。