さらに翌日。
私は久しぶりに高校に行った。

女子高生らしく、皆がテンション高く私のことを心配してくれる。

「ありがとう、もう大丈夫」

輪の中心で笑顔でそう答えながら、その輪の中に綾香が居ないことが多少心配でもあった。

綾香は窓際の自分の席に座って、冴えない瞳でぼんやりと外の景色を眺めていた。
私は廊下で笑麗奈を捕まえる。

「病院まで来てくれてありがとね」

「ううん、全然。
困ったことがあったらいつでも呼んでね」

うーん。
こういうことは、二度とはあって欲しくないんだけど。

そうとも言えず。
笑麗奈の天使のような微笑みに負けた私はこくりと頷くほかない。

「ねぇねぇ、綾香、ちょっと元気なくない?」

いくつか雑談を交わした後に、私はなるたけ自然に思われるようにそう言い添える。

途端。
キラン、と。
噂好きの笑麗奈の瞳が怪しく輝く。