私がぽかんとしている間に、神様はまた、左スペースを見る。

「何だって?
ユリアを混乱させるな?
仕方がないだろう。理解度がないのはリリーの方だ。私はこんなに素敵な説明をしてやっているというのに。
は?
だから、そこは私が悪かったって反省しているだろう?
スノーボードで女が切り付けてくることは分かってた。それは、未然に防ぐ予定だったんだ。
ちょーっと面白いテレビやってたからさ、それに釘付けになっている間に終わっちゃってたんだよ、お前らの騒動が。
仕方がないじゃないか。神様は万能じゃないことくらい、魔王をやっているお前だって理解していることだろう?
神様が万能だったら、世界はもっと平和だよ。
そんなに怒らないでくれよ。
あまり喋りかけるものじゃない。リリーが不安そうに見ているだろうが」

と。
なんだかおかしなその人は、透明な存在と話が出来るようで、眉間にかすかに皺まで浮かせて話し続けている。


えーっと。
私、背中に重傷を負って本日目覚めたばかりで、頭痛も激しいことですし、そろそろここらで眠らせてもらってもよろしいでしょうか?
自称神様という美形変人さん?