キョウは躊躇いなく足を進めていく。
私はもう、引きずられるようについていく他ない。
それにしても、ここは拳銃の大バーゲンがあった直後かってくらいに、さっきから銃声が延々と続いていた。
日本の片隅じゃなくて、まるでどこかの戦地みたいに。
……どうして?
私は首を傾げる。
だって、ジャックは一人なんだから。そこまでたくさん引き金を引く必要はないんじゃないかしら?
「ひぇえええ、コイツ、化けモンですっ」
ついにはそんな泣きの声まで上がる。
私たちはついに弾丸飛び交うその部屋へ、足を踏み入れていた。
「化け物なんて、酷いなぁ」
銃声が当たっても歯牙にもかけないようすで足を進めながら、ジャックは、その白い顔に無邪気な笑みを浮かべていた。
「ああ、キョウさん」
キョウを見て、ジャックはにっこり手をあげた。
五人は居るその筋の人っぽい男どもは、拳銃の手を休めてこちらをぎろりと見た。
「アヤカは?」
キョウはそんな男たちがまるで存在しないかのように、軽い口調でジャックに聞いた。
「それが、ここには居ないみたいなんです。
誰も教えてくれなくて」
「へぇ」
キョウがその瞳をゆっくりと眇める。
ちらりと見上げたその瞳は、普通の人となんら変わらぬ黒い色を帯びていて。
だから、男どもは一斉にキョウに向かって拳銃を構えた。
私はもう、引きずられるようについていく他ない。
それにしても、ここは拳銃の大バーゲンがあった直後かってくらいに、さっきから銃声が延々と続いていた。
日本の片隅じゃなくて、まるでどこかの戦地みたいに。
……どうして?
私は首を傾げる。
だって、ジャックは一人なんだから。そこまでたくさん引き金を引く必要はないんじゃないかしら?
「ひぇえええ、コイツ、化けモンですっ」
ついにはそんな泣きの声まで上がる。
私たちはついに弾丸飛び交うその部屋へ、足を踏み入れていた。
「化け物なんて、酷いなぁ」
銃声が当たっても歯牙にもかけないようすで足を進めながら、ジャックは、その白い顔に無邪気な笑みを浮かべていた。
「ああ、キョウさん」
キョウを見て、ジャックはにっこり手をあげた。
五人は居るその筋の人っぽい男どもは、拳銃の手を休めてこちらをぎろりと見た。
「アヤカは?」
キョウはそんな男たちがまるで存在しないかのように、軽い口調でジャックに聞いた。
「それが、ここには居ないみたいなんです。
誰も教えてくれなくて」
「へぇ」
キョウがその瞳をゆっくりと眇める。
ちらりと見上げたその瞳は、普通の人となんら変わらぬ黒い色を帯びていて。
だから、男どもは一斉にキョウに向かって拳銃を構えた。