「魔王様」
突然現れたキョウに唖然としたジュノだが、一瞬の後に我に返って丁寧に礼をする。
「どうなった?」
キョウは、さして興味のないチーム同士のサッカーの試合の顛末でも聞くようにのんびりした口調で問う。
「この中がその取り立て業者のアジトで、過去見の結果、おそらくはアヤカちゃんもこの中にいると思われます」
そう。
悪魔はその現場を見ただけで、過去の風景まで見えてしまうのだ。
いろんな意味で、怖ろしい力をお持ちなのです……。
「ふうん。
ユリアも一緒に、どう?」
と、レストランにでもエスコートするような気楽さで私の手をとるキョウ。
「ジャックは?」
「一足先に走って行っちゃった」
私の質問に、ジュノが答える。
まあ、ジャックは猫だから気配もなく走れるのだろうけど。
その後先考えない行動ぶりが心配でもある。
本当はこんな怪しいところに足を踏み入れたくはないのだけれど、キョウだけを行かせても、とても綾香を助けてくれるとは思いがたい。
私も仕方なくキョウと一緒にいかにもじめっとした薄暗いその建物へを足を踏み入れた。
突然現れたキョウに唖然としたジュノだが、一瞬の後に我に返って丁寧に礼をする。
「どうなった?」
キョウは、さして興味のないチーム同士のサッカーの試合の顛末でも聞くようにのんびりした口調で問う。
「この中がその取り立て業者のアジトで、過去見の結果、おそらくはアヤカちゃんもこの中にいると思われます」
そう。
悪魔はその現場を見ただけで、過去の風景まで見えてしまうのだ。
いろんな意味で、怖ろしい力をお持ちなのです……。
「ふうん。
ユリアも一緒に、どう?」
と、レストランにでもエスコートするような気楽さで私の手をとるキョウ。
「ジャックは?」
「一足先に走って行っちゃった」
私の質問に、ジュノが答える。
まあ、ジャックは猫だから気配もなく走れるのだろうけど。
その後先考えない行動ぶりが心配でもある。
本当はこんな怪しいところに足を踏み入れたくはないのだけれど、キョウだけを行かせても、とても綾香を助けてくれるとは思いがたい。
私も仕方なくキョウと一緒にいかにもじめっとした薄暗いその建物へを足を踏み入れた。