いつの間に眠っていたのか。
麗らかな冬の日差しに誘われて、私はようやく目が覚めた。

隣にキョウは居ない。
一人ぼっちのベッドは、淋しくなるほど広い。

三番目のボタンまで開いたままの姿で、私は眠っていたらしい。
しわくちゃになった服を脱ぎ捨てて、バスルームへと向かう。

鼻腔をくすぐる甘い香りに自然、キッチンに目をやるとご機嫌にフライパンでパンケーキを焼いているキョウが居た。

下着しか身に着けていない私を見て、愉快そうにその瞳を眇める。

「そんなに欲求不満?」

「……ち、ちがう……っ」

私は思わず頬を朱に染め、意味なく自分の胸を抱きしめる。
キョウは楽しそうに相好を崩す。

「でも、ユリアのほうから俺を拒んだんだから。
クリスマスまでは抱いてあげない♪」

「べ、別にいいもんっ」

「そう?
でも、どうしても我慢できなくなったらいつでも俺の上に乗ってきていいからね☆
その可愛い口で舐めてくれたらきっとすぐに勃つから後は好きに乱れてくれれば……」

あ、朝からなんてコトを言い出すんでしょう、コイツは!!
私は慌てて言葉を遮る。

「す、するわけないでしょっ。
キョウが居るなんて思わなかっただけなんだから。
シャワー、浴びてくるっ」

眩暈がしてくる。
もちろん、昨夜とは全く違う意味で、ね。