早川君は、ガタッと立ち上がると、教室から出ていった。

他のクラスの仲間と食べるのだろう。

もうこのクラスになって一ヵ月たったのに、クラスの誰ともお昼を食べていないようだ。

一言二言会話をする友達?はいるみたいだけれど、みんな話し掛けようとはしていなかった。

何故、特進クラスにきたのだろう、とみんな思っているようだった。

実は頭が良いのも驚きだったが、いつも授業中寝ているからクラスでの成績は最後の方だった。

確実に、来年は他のクラスに落ちるであろう。

それか…途中で…


そう考えると、切なくなった。

「優樹菜…具合でも悪い?」

心配そうに顔を覗きこむ菜緒に、慌てて首をふった。

「…お腹すいただけ!」

アハハと笑う菜緒に、少しだけ罪悪感を感じた。

菜緒は、

「なんでこのクラスに来たんだろう!」

てよく言っていてあまり好きではなさそうだから。