『恋ちゃんカワイイィィィ~~~~~ッ!!』

『超萌ぇぇぇぇぇ!!』

私が通う女子高の門の前で、今朝も歓声を上げる他校の男子たち。



『相変わらずの人気だねぇ、毎日毎日ご苦労なこった』

営業スマイルを作る私に向かって、親友の京が呆れたように口を開く。

「しょーがないじゃん、私のイメージに店の売上がかかってんだから」

『実際あんたも大変だよね、その外見に中身を合わせなきゃならないんだもん』

そう言いながら、私の髪についたピンクのボンボンを突く。

「・・・ほんと、勘弁してほしいよ」

フゥっと溜息をつくと、すかさず飛んでくる太い声。


『どうしたのっ、恋ちゃんっ?!!』

『俺が慰めてあげるよ~~~っっ!!』


校門をくぐる前の最後の営業スマイルは、今日は引きつって上手く笑えなかった。