「それが貴方の得物か」

私の問いかけに、紅は薄笑みを浮かべるだけ。

その笑みが語っていた。

『俺達はもう仲良く話をする間柄ではないだろう?』と。

出会った瞬間に殺し合う敵同士。

どちらかが敗北するまで手を緩める事のない、御影の王の称号を命懸けで奪い合う敵同士。

学校の屋上でそう宣言したのは私ではなかったか。

「そうだったな」

私は刀をスラリと抜き、鞘を投げ捨てた。

「巌流島の決闘ならばお前の敗北だな、乙女」

薄笑みを不敵な笑みへと変える紅。

その紅に。

「どうかな?」

私は同じく不敵な笑みで返し。

「!!」

刃を返して光を反射させ、一瞬だけ彼の目を眩ませた!