そのまま飲み続けるとグラスを持つ隼人さんの腕にある傷が目に入った。



手首から縦に15センチくらいあろうかと言う傷…。



「それって…。」

「これ!?昔ね、ガラスで切ったんだ。」

「痛そう…。」

「痛くないよ。昔の傷だし。」



そう言いながら遠い目をする隼人さん。



莉里さんも何かを懐かしむような表情を見せた。



「莉里がアメリカでいろいろあった時にちょっとしたケンカでさ、懐かしいな…。」

「あん時は死んだかと思ったよ~。でも隼人は莉里を置いて死んだりしないよね~。」

「ね~。」



アメリカって恐ろしいところなんだ…。



響、大丈夫かな…。



そんなあたしの不安をよそに隼人さんはハイペースでお酒を飲んでた。



響に似てる…。



隠してナイ緑の目に酔いそうだ…。



「会いたい~…。」

「じゃあ会いに行こっか。」



は…い?