涙を堪え切れずに響の手を握って泣いてしまった。



『何泣いてんの…。』



そう言って頭を撫でてくれる手がほしい…。



響がこのまま起きなかったらどうしたらいいの…。



「起きてよ響ぃ…。」



静かな病室はあたしの涙混じりの声だけが響いてた。



それから毎日朝から晩まで響の病院に通って身体を拭いたり一緒に寝たり。



あたしにはそれくらいしか出来る事がなくてただひたすら通った。



「響~!!遥君が退院したんだよ!!次は陸斗君かな?そしたら響の番だよ?」



何も答えは返って来ない。



でももうイイんだ。



響がこうしてあたしの側にいるから。



顔の傷もキレイになった。



『きっともうこのまま目を開ける事はナイと思います…。』



病院の先生がそう言ってもあたしには実感がなかった。



だって響、まだ夢叶えてないもん。