次の日は朝早くに目覚めてしまって響を起こさないようにリビングに出た。



コーヒーをセットして歯磨きを終えるとあたしよりも先に起きてたであろう登来君が音楽部屋から出て来た。



「朝になってるし~…。」

「寝てないの?」

「うん。ピアノ弾き始めると時間忘れちゃうんだよね~。」

「響もよく朝までこもってるよ。」

「あっ、里佳、おいでよ!!俺の出来具合聴いて!!」



腕を引っ張られて音楽部屋に連れて来られた。



イスを用意してくれた登来君はあたしを座らせるとピアノに向かった。



「俺の演奏独占はラッキーだよ~!!じゃあ聴いててね!!」



目をつぶって深呼吸をした登来君が目を開いてピアノを弾き出した。



うわぁ…。



今まで聴いた事があるピアノとは全く違う…。



魂が震える感じってこう言う事を言うんだ…。



真面目な顔の登来君も初めて見た…。



カッコイイ…。