濃い紫色の着物…。



「キレイ…。」

「すごっ!!響君ってボンボン!?」



里乃さんも美佳チャンもビックリ…。



着物って高いんでしょ?



「成人式に着てほしくて…。」



酔いも冷めるよ…。



きっとあたしが着物なんて着れないから…。



だからくれたんでしょ?



「響…。」

「ダメ!?」

「何でこんなことすんの!!あたし何も返せない!!」

「俺金持ちだし。里佳チャンの晴れ姿見たかったから…。」



嬉しい…。



胸が痛くなるくらい嬉しいよ…。



「受け取ってくれる?」

「いいの?」

「ん。羽織って見て!!」



そう響が言った瞬間里乃さんの目が輝いた。



ニコッと笑った里乃さん…。



「着せてあげる。私も見たいわ。」

「着るの!?」

「私女将よ!?はい、服脱いで!!あ、響さんは出てってちょうだい?」



何か…。



嬉しい。