信じられない…。



捨てられたとしか思ってなかったのに…。



「響…。」

「うん、喜びたかったら素直に喜んだらイイ。教えたでしょ?欲しい物は欲しい、したい事はしたい、それでイイんだって。」



優し過ぎる響の笑顔に勇気をもらった。



過去はなかった事には出来ない。



でも許す事はできる…。



「あなたに母親らしい事は何もしてあげてないから…。母親だと思えなくて当然です。」

「産んでくれたもん…。だから今は幸せになれた。出て行くまではちゃんとお母さんだったんでしょ?」

「里佳…。ごめんなさい…。」

「これ食べてイイ!?」

「えっ!?」

「あたしのケーキでしょ?」

「えぇ…。」



涙味のケーキだった。



きっと嬉し涙。



あたしがズット求めてたのはこの人だったんだと改めて実感…。



空想の母はもっとオバサンだったのにな…。