ポロポロ涙を流す母親を見て怒りの感情が薄らいだ。



「里佳チャン、ちゃんと話ししよ?」

「ん…。響もいて…。」

「いるから。」



母親が目の前に座って話しをする事になった。



家を出たのは父親の浮気。



その時に妊娠してたらしく…。



あたしたちを引き取るにも経済力がなくてムリだったって…。



「何で迎えに来てくれなかったの…。」

「親権と看護権があの人にあって…。あなたを勝手に連れて来たら誘拐になってしまう…。」

「知らないよそんな事…。」

「ごめんなさ…い…。」



その時にバンッと勢いよく襖が開いた。



あっ…。



「お母さんを攻めないで!!精一杯頑張ってあたしを育ててくれたんだから!!お姉ちゃんの事をどんなに気にかけてたかわかる!?コレ!!」



目の前に出された小さなバースディケーキ…。



20歳おめでとう…。



「お兄ちゃんの誕生日もお姉ちゃんの誕生日も…。毎年ちゃんと祝ってたんだから!!」



祝ってた…。